額の伝来も大陸からでしたが、当初は現在の室内に飾る額ではなく、神社仏閣などに
絵馬のように木板に彫刻したり書いたりする、看板みたいなのが始まりでした。
嵯峨天皇の弘仁九年(西暦818年 平成25年時で1195年前)に唐法にならって儀式等を改めらた時に宮中諸門に新たに額を掲げられたこと続日本書紀の承和9年10月
(西暦842年 平成25年時 1171年前)に記録が残っているようです。
室内に飾るようになってから現在のような紙などに書くようになったのは確かですが、
いつからという記録はなく、江戸時代の中期、元禄ごろには既にあったようです。
また、額は文字額が一般的で絵を描くようになったのは、やはり西洋の影響を受けた
幕末になってからのようです。実際に幕末に描かれた油絵も存在しています。
額を飾る場所や位置も定められていましたが、時代と共に変わっていき基本的には
壁に飾ることは変わりはありません。
表具屋で扱う額は、中身の書画に合わせるので縦横の寸法、厚み、額の縁(ふち)の形など
施主の好みにすることができますが、安く仕上げるには既製寸法の額に合わせる事になります
最近では、少しでも規格外だと特注品扱いで値段も上がってしまいます。
額の種類は大きく、西洋額と和額の2種類あり、それぞれ専門職になりますが、
現在は大量生産で多種多様の既製品が出回っています。
そこで、既製品と表装店の扱う注文額の違いは何だと思いますか?
一番は値段でしょうが、本当の違いは材質と重量です。
その次に本紙(本体)を貼り付けるかどうか?です。
金額的にはやはり、注文したほうが高くなりますが、材質を比べた時に
既製品はこれでこの値段?! という感じになります。
大抵の既製品の額は土台となるベニヤに、年月が経つと灰汁が出てくる安いものを使ってあり、
それをパネルにするので、重くなります。また、プロでもこの手のタイプを使うので、
美術館に収蔵されている作品でも、早く痛みが出てきているそうです。
ベニヤではない材質では、木屑を圧縮したボードと発砲スチロールを使ってあります。
いずれも本紙を単純に挟むだけのものです。
額の縁は金属から木地や樹脂など塗装も多種多様になっています。
基本的に安い材料で簡単に作られています。
一方、表装店が、扱う注文額は杉材の柾目木地を縦横に四角マスに組んだ枠の両面に
紙を何層にも貼り重ねて下地を作り、その上に、裏打ちを何回もして細工をした本紙を貼るので
軽くて丈夫なります。
和額は木地だけで、塗装は本漆や合成カシュー漆、噴き付け塗装になります。
特別なもので、年月と共に深みが出る生成りの杉柾の縁があります。
基本的に注文して、しっかりした材料で仕事をするので、既製品より高くなりますが、
材料自体にお金が掛かっているので作品の見栄えも良いです。
私たちもお客さんと相談して、既製品を買うこともありますが、材料と値段を考えると
もう少し予算を足してもらえれば、金額に見合った注文額が
できるのではないかと思ってしまうこともあります。
もちろん、既製品の額を使っても、ひと細工はしますので、見栄えは良くなります。
作品の大きさや予算に応じてよく相談していただくことが必要です。
作品に合わせて
骨、縁を注文 |
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規制寸法の骨縁に合わせて
作品を加工 |
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写真見出し 3
写真説明 3 |
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既製品の色紙用の額に
入れる方法 |
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写真見出し 2
写真説明 2 |
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既製品のアルミの額に
入れる方法 |
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